フィネスと言えば、細糸で軽量ルアーを巧みに操って釣る事。と認識していた。特に小型のルアーで。渓流釣りをやっていく中で、そのベイトフィネスなるスタイルに出会う。初めからずっとスピニングでやっていたので、最初見た時は”必要無いな”と感じていたものの、小型のプラグを近場に、なおかつピンに送り込むには最適であるという考え方になっていった。トラウトの釣りは、半分以上がそのスタイルに深みを感じていた自分は、最初からオールドベイトに手を伸ばした。中身を丸ごとカスタムして、少しづつその飛距離とアキュラシーを追求していく。その楽しさは他には無く、Instagramのストーリーはそれで埋まっていった。毎日毎日少しづつ。キャストの練習をして、その都度調整を繰り返す。やがて2gの木片は10m先のバケツに入る様にまでなった。そしてオールドタックルで、自分で削ったミノー で至極の一尾に辿りつく。


決して満足した訳でも無く、終わりを迎えた訳でも無いのだが。先日、衝撃が訪れた。今年の初めにチームのボスからカルカッタコンクエストBFSを譲り受けた。オールドタックル思考の自分は、”使ってみたかった”くらいの気持ちで、今年から渓流に導入するつもりであった。糸を巻いて、仕事終わりにロッドに装着し、軽く振った。本当に軽くだった。驚いた。10m先のバケツを置いてあった場所に、練習用の2gの木片は落ちていた。目を疑うとはこういう事だと思った。翌朝、何度も振って確認した。それは間違いでは無く、何度も何度も投げる度に、その飛距離に胸が踊った。これが現行機なのか。こんなにも快適に、こんなにも的確な釣りがあったのかと。改めて公認カタログに目を通して確信した。海水対応。とんでもない。考え方は180度ひっくり返されると共に、シーバスへの導入が頭をよぎる。マイクロプラグ。そこからはもう、ダムが解放した様に、調べまくった。ベイトフィネス。パワーフィネス。現行機のベイトフィネスに出来る事。無限大の面白さが広がっていた。知らなかった。知ってよかったかどうかは、まだわからない。しかし今年、この門を叩いてみようと思う。やはり釣りは奥深く、面白い。