久しぶりの雨に喜び車を山へ走らせる。ようやく上がってきた気温に始まりの予感を感じながら、雨を待っていたのだ。土砂降りの中でもニヤニヤしながら竿を振るのだから、釣りキチというヤツは本当にどうかしている。笑。
やっと昨年の釣果との照らし合わせが出来るぞと所謂いつもの所からスタートしたのだが、どうにも様子がおかしい。なにが?と言えばハッキリはわからないが、何か雰囲気が違う。気温?水温?濁り?水深?そういう事では無い。踏み固められたエントリーポイントに多大な違和感を感じていたのだ。
いつもであれば、藪があったり草やつるを掻き分けながら、あぁ。もぅ!といった具合に進む道も、難なく進める。
しばらく釣り歩くと地元のお爺さんに出会した。毎年数回は顔を合わせる馴染みで、今年はどうだ?とか今の時期ならどこがいい。なんて事を話す。私にとっては情報屋だ。
お爺さん「釣れたね?」
『いえ。雨が降ったらから、どうかな?と思ってきて見たんですけど、、、。うーん。イマイチですね。』
お爺さん「そうだろうね。今年は例年より人が多いよ。平日でも休日でもお構い無し。釣れもしないのに常に人が川辺に立って竿振ってる。あんなんじゃ魚の着き場も変わるわな。」
『そんなにですか?これくらいの時期からいつも土日は増えますよね?』
お爺さん「平日がそれくらい。今土日は祭りだな。何があったか知らんけど、人が増えれば川も変わる。」
嘘だろ。ドキドキしながら話を聞いていた。昭和だ。昭和の感じが戻ってきたんだ。釣り人が増えてるって話は嫌いじゃ無い。この釣りを始めた時、会う人会う人に聞かされた。「昔はもっと人がいた」いつしかブームが過ぎ去ったのか、あまり人に会う事は無くなり、そんな渓流に憧れた。いつ行っても、どこにでも入れる渓流は少し寂しくもあったからだ。
釣り人が増えて、活気があれば村や町も潤うんじゃないだろうか?情報交換やポイント開拓は更に楽しくなる。
今年は数年ぶりに新規開拓が必要そうだ。

どうして釣りはこんなにも楽しいんだろうか。