表層に馳せる夢。

5年くらい前だろうか。高倉さんに出会ったのは確かそれくらい前の話。鱸釣りを始めたばかりの自分は右も左もわからず、fimoを通して高倉さんことヌタイさんに連絡を取り、彼のホームへお邪魔した。

当時は本当に何もわからず、失礼な事を沢山したなと今は思える。あれから時は流れ、気付いたら一緒に耳川に浸かったり、県外に遠征にいったりと、すっかり釣り仲間にならせて頂いてる。

ヌタイさんからは、度々色々な事を学ばせてもらっている。釣りというのは時折迷子になりがちである。スタイルであったり、釣果、釣法だったりと、釣れてるうちはいいのだが坊主が続けば、誰だって考え直す。それが人間であり、ソレが釣りの醍醐味なのかもしれない。

そんな時に相談すると、ヌタイさんはいつも一歩二歩先を歩いているから、自分だったらこうすると意見をくれるのである。正しいか間違いかは別として、人の意見を聞く事はいい事だと自分は思っているので、もの凄く参考になる。ヌタイさんはいつも自分の釣りを楽しんでいる。その楽しみ方にこそ魅力があり、ソレがヌタイさんのスタイルなのだ。

トップウォーターシーバスを考えた時、すぐさま思い付いたのはヌタイさんの顔だった。

そしてソレは同時に、上流の山鱸を連想させるものでもあった。

習うより慣れる。まさにそんな教えのように、ヌタイさんのホームで数年ぶりに一緒に竿を振らせてもらった。

最高の一本を出させてもらえた。

夜明け前から日が昇るまで、ランガンしながら色んな事を話し竿を振った。曲がり込んだロッドは、込めた想いのバロメーターの様にグイグイ激流にのった。寄せて来た鱸を片手に、深く握手して大きく笑った。

まさにそんな釣りがしたかったのだ。

表層に見た夢は、最高の舞台で叶った。