年を重ねるという事。

歳を取るのではなく、年を重ねるという事。

何度も何度も、何日も同じ事を繰り返していくと、自ずと無駄が省かれていく。

仕事でもそうだが、余計な荷物は減り余計な動きも無くなっていく。

自分の釣りもそうなのかもしれない。

ナイトゲームをひたすらに数年間やっていくと、出来る限り荷物は減らしたくなるのは当然。

1度に出来る釣りのスタイルも限られている事に徐々に気がつく、ブラックバスの様にボートでもあれば、アレコレ持ち込めるのだろうが、こちとら徒歩である。

さらに年数を重ねた事によって、向き不向きが見えてくる。もちろん不向きな部分を訂正練習、鍛錬し自分のものにするのもまた釣りだろう。限られた時間の中で、何を楽しむか?

“釣り”と一言でまとめても、たくさんの釣りがあるように、もはや何が釣りかすらわかっていないのかもしれない。

ただ、いまは前回も書いた通りにやりたい事をやりたい。

今やりたい、やっている事はベイトリールでのシーバス釣りのスタイル。

さらに踏み込んで、フローティングモデルのプラグへと焦点を絞っている。これには自分の中で幾つか理由があって、少し前に試みたワームの釣りが結構大きく影響している。

シーバス釣り、つまりは鱸の夜の釣りは表層系のものが多い事、釣行中に聞く捕食音からも、食気の立っている個体は水面へと食事に向かう事は明らかになっている。

ワームの釣りをやったとき、正直めちゃくちゃ釣れるんじゃないかと思い込んでいた。

結果は知っての通り。笑。

数週間かけて、セイゴ1匹も釣る事が出来なかったのだ。水中には、餌に飢えた魚がワンサカいて、ワームを投げれば無限に釣れると思っていた自分は、ガッカリと共にナニカが砕け散った。

必死になって追いかけるより、一生懸命に楽しんだ方が良い。

という答えが出た。

その結果、飛距離と水深を捨てて、今までの経験から状況に応じて、釣りたい魚を釣りたいプラグで追いかける。という遊びに変わった。もちろん、サイズも数も求めたい。でも必死にでは無く、楽しみながらだ。

幼少期にバスブーム真っ只中にいただけあり、やはりベイトリールには、何かしらのカッコ良さを感じてしまう。100mのキャストは出来ないし、スピニングの釣りをやめる訳でも無い。ただ単純にベイトリールでシーバス釣りを楽しみたい。

ベイトリールのシーバス釣りと言えば、真っ先に頭に浮かぶのが、ヨルマルハンティング。その昔ザウルスメンバーが作り上げたスタイルで、ヨルマルミノー、ヨルマルシャッドで大鱸を狙うゲームである。

今考えれば、ビックベイトとまではいかないが、ビックミノーではある。

ベイトリールの利点。この言葉にも深く興味があった。シーバスをやる上で、ベイトリールで利点。なんだろう?といつも考えながら竿を振っていたが、もはやそれも、そこまで深くはわからない。わかる気も無くなった。笑。

ベイトリールは、自分の中で投げていて楽しいのだ。ただそれだけ。夜の鱸釣りでは、まぁまぁ重要だとも思う。そんなに釣れる釣りでは無いから。笑。

だから楽しみたいのでもあるが。

コローナ89が綺麗なベンドカーブを描き、月明かりの下、曲がる竿に見惚れながらやり取りをした。

“読み”とまでは言えないが、”やはり居てくれた”という気持ちに胸躍らせながら堪能できた。季節的な物と、通い詰めてわかる地形とが合致して出た答えは思わずニヤけてしまう。