ジメジメした気温と、蝉の声が煩い季節。ディーゼルエンジンのニオイと少しカビ臭い畳。田舎の一軒家で育った当時の記憶が蘇る。先日Instagramの投稿を見た幼馴染みからメールがきた。相変わらず器用だね。昔もルアー作ってたよね。と。すっかり忘れ去られていた中学二年生の夏休みだ。当時はバスブーム真っ只中。近所のため池に自転車を走らせていた少年は全国に沢山いたのではないだろうか。もちろん自分もその1人である。釣りキチ三平、Mr.釣りどれん、ルアマガにバサー。プレミアのついたメガバスのルアーに心躍らせながら、アライくんが欲しくて欲しくてたまらなかった自分は、作ってみる事にしたのだった。ウキ用の木材に彫刻刀を用意して、夏休みをいい事に夜中まで熱中していたのが懐かしい。残念ながらその当時作った第一号ルアーあらい君もどきは見つけきらなかったが、そのいくつか後に作った(仮)ワニ。と名付けたジョイントルアーを先日、兄から渡された。片付けしていたら出てきたものの捨てるに捨てきらなかった。と笑っていた。今見ると、見るに耐えないモノではあるが、その熱量は間違い無く今の自分を作り上げたソレだと確信出来るのである。笑。

実家の周辺と言えば、商店的なものも無く田んぼと畑が無数に広がる、the田舎を絵に描いた様な所だ。憧れたアメリカのバス釣りとは遠くかけ離れたその景色は今もあまり変わっていない。現在は結婚して、別の場所に住んでいる自分ではあるが実家に帰るとやはり当時を思い出すのである。自転車で行ける範囲に鱒族がいないと知った時のショックと全く釣れないのに来る日も来る日も通った経験は、大人になってから多く活かされいる部分でもあると今はそう思う。そして何より23年経った今もバルサを削っている自分には笑えて仕方ない。そのまま大人になってしまっているのだから。タックルハウスのデザイナーである二宮さんが書かれて本の中で、一度は自分で作ったルアーで魚を釣ってみるべきだ。と書いてあったのだが、読んだ時はそんな事もうする事無いだろうと思っていた。しかし今はその通りだと感じている。自分で削り出したプラグで釣れた時の喜びは何倍にもます事は想像がつくとはおもうが、なによりそこまでのプロセスが面白いのである。これに関しては百聞は一見にしかずであり、オススメするが強制はしない。鱸釣りをメインとしている自分だが、当時読んだ釣りキチ三平くんのおかげもあり、鱒族への憧れは今も健在。作っているルアーはトラウトがメインなのである。



ザウルスの則さんが与えた影響は、かなり大きいものではあるものの、やはり当時は手の届かない存在であったためタイムリーでは知らない。以前fimoログの方で書いた事があるが、ペイントアイのルアーの現在について。
ペイントアイのルアー達。
内容が内容だけに、誤解を恐れずに書かせてもらうと、まずペイントアイのルアーのくくりとしては、描き目のルアーの事を指している。ルアーについている目の事であるが、リアルなモノでは無く、ドットで書いてある目のモノ。その数は無限に近いくらい存在していると思うのだが、ここからはシーバス用のプラグとトラウト用のプラグの話。そして忘れないで欲しい事は一個人としての意見という事である。現在大型釣具店に行けばほぼ間違い無く置いてあるペイントアイのルアーは、タックルハウスとポジドライブガレージ だと思う。タックルハウスは昔ながらのK-tenシリーズがソレのメインにあたり、ポジドライブガレージは現在進行形で新たなプラグを次々に世に送り出している。ザウルスは2020年復活する様子ではあるものの、今現在では、過去の方がまだまだ有力なプラグが多い気がする。他にもハネダクラフトやラパラなど沢山あるとは思うのだが、鱸釣りと鱒釣りを兼ね備えているのは、タックルハウス、ポジドライブガレージ、ザウルスでは無いだろか。(ラパラもそうだとは思いますがココは控えます)共通する事はペイントアイである事。そしてそのスタイルに並々ならぬ拘りが詰まっている事だと感じている。ルアー釣りの面白さは以前にも書いた通りであるが、楽しみ方からするとペイントアイのルアーは半分本気で半分遊び心があるのである。リアルさを捨てている部分もそうであるしカラーリングもそうだと思う。釣りは所詮遊び。遊びの延長線上での話。どうしても魚が獲りたいなら網を投げればいい。それじゃ面白く無いから、針と糸で釣ろう。それでも釣れるから、こんどは餌じゃなくて擬似餌にしよう。って塩梅だ。さらにもっと拘って釣り人の格好もお洒落な方が雰囲気を楽しめる。ってなったのが玄人の釣りだと思う。それに合うならこんなプラグがいいんじゃないか?という風に作られているのがペイントアイなんじゃないかなと。そこまでいくとかなり奥深く、道具1つにしたって、とんでもない事になってしまう訳である。だからもちろんそんな気持ちも心のどこかに置きつつも、箸休め的なプラグとして、その釣りが本気と遊びが5:5くらいの割合ならば、3:7くらいの遊びの割合多目のプラグを作ってみたいなと。鱸釣りを長くやっていると思う事は、気付いたらクソ真面目になってる事。自分だけかもしれないが、魚を追いかけ過ぎて、遊ぶ心を忘れガチになる。それだけハマり込む要素が多いのも事実であり、なにより楽しい事に変わりは無いのであるが、もう少し遊び心があっても良いのかもしれない。昔の人達はいい意味で、その釣り全体でふざけて遊んでいる。その感じがまた格好良くて仕方ない。だいぶ話は逸れてしまったが、ペイントアイの世界観。面白くて奥深い。少しずつ表現していけたらなと思っている。まずはトラウト用から。RATAミノー第一号、名前は”トムキャット”お披露目はもうすぐです。